Computed Tomography
CT
CT検査について
CT(コンピュータ断層撮影)は、X線を使って身体の内部を詳しく調べる検査です。装置の中に横になって入ると、体の周囲をX線が回転しながら撮影を行い、断面や立体的な画像を作成します。
頭部・胸部・腹部・骨・血管など幅広い部位を対象に、短時間で詳細な画像が得られるため、がんや炎症、出血、骨折などの診断に広く利用されています。
造影CTについて
より詳しい診断が必要な場合は、造影剤を使用することがあります。造影剤は静脈から注射され、体内の血流に乗って臓器や血管をはっきりと映し出すため、がんや血管病変、炎症の評価に効果的です。
使用前にはアレルギーや腎機能などを確認し、安全に配慮したうえで実施します。体が熱く感じることがありますが、通常すぐにおさまります。副作用が現れた場合はすぐにお知らせください。
「名大病院放射線部では、信頼される診療の一環として、日々進化するCT検査に取り組んでいます。」
撮影室 | 装置名 | メーカー | 特徴 |
|---|---|---|---|
CT17番撮影室 | Naeotom Alpha | SIEMENS | フォトンカウンティングCT |
CT18番撮影室 | Aquilion ONE Vision Edition | Canon | 320列CT |
CT19番撮影室 | Aquilion Precision | Canon | 超高精細CT |
CT1番撮影室 | Aquilion Prime | Canon | 80列CT |
当院の装置紹介
CT17番撮影室
SIEMENS
Naeotom Alpha
Naeotom Alphaは、世界で初めて実用化されたフォトンカウンティング技術を搭載した次世代型CTです。
X線の信号を電気信号に変換する従来方式とは異なり、X線フォトン(光子)を1つひとつ直接カウントする方式を採用しています。これにより、高精細でノイズの少ない画像が得られます。
また、フォトンごとのエネルギー情報を同時に取得できるため、スペクトラル画像の作成が可能です。病変の性状や造影剤の分布を詳細に観察でき、診断精度の向上に貢献します。
さらに、Dual Source技術(2つのX線管・検出器による同時撮影)を搭載しており、心臓など動きのある臓器も短時間で高精度に撮影できます。これにより、時間分解能が求められる心臓CTなどにおいても優れた性能を発揮します。
CT18番撮影室
Canon
Aquilion ONE Vision Edition
Aquilion ONE Vision Editionは、320列のエリアディテクターを搭載し、最大16cmの範囲を一度に撮影可能なCT装置です。
心臓や脳などの臓器も1回のスキャンでカバーでき、撮影時間の短縮と高精度な画像診断を両立します。
ガントリ回転速度0.275秒の高速撮影により、心拍数75bpmまでの心臓を1心拍で撮影できるため、冠動脈CTなど高い時間分解能が求められる検査にも対応します。
また、逐次近似再構成技術(AIDR 3D)を活用することで、被ばく線量を抑えながら高画質を維持することが可能です。
この装置は、心臓CTをはじめとする全身の多様な検査において、短時間で高精度な診断画像を提供します。
CT19番撮影室
Canon
Aquilion Precision
Aquilion Precision は、0.25mm 検出器素子を搭載した超高精細 CT 装置です。微細な構造や小さな病変の描出に優れており、肺・血管・骨などの詳細な診断が可能です。
さらに、AiCE(Advanced intelligent ClearIQ Engine) という ディープラーニング再構成技術を搭載しており、従来の再構成方式(ハイブリッド逐次近似再構成など)と比べて、ノイズを抑えながら鮮明な画像を得ることができます。
この技術によって、高コントラストかつ空間分解能の向上が図られ、診断の正確さや患者さんの安全性(被ばく低減)にも寄与しています。
CT1番撮影室
Canon
Aquilion Prime
Aquilion PRIMEは、80列の検出器を搭載し、日常診療から救急対応まで幅広い検査に対応できる高性能CT装置です。
逐次近似再構成技術 AIDR 3D Enhanced により、被ばく線量を抑えながら高画質を維持することが可能です。
また、金属アーチファクトを抑制するSEMAR™(金属アーチファクト低減処理)にも対応しており、より精度の高い診断が行えます。
ガントリ開口径は78cmと広く、84cmの寝台幅とあわせて、体格の大きな患者さんでも快適に検査を受けていただけます。
バリアブルピッチヘリカルスキャンにも対応しており、スムーズで効率的な検査ワークフローを実現します。