X-ray fluoroscopy

X線透視検査

X線透視検査の概要

透視検査とは、X線をパルス状に照射し、体内の様子をリアルタイムで動画として映し出す検査です。静止画のレントゲン検査とは異なり、動きのある臓器や造影剤の流れをその場で観察できるため、消化管の機能評価や病変部の位置・範囲の把握など、より精密な診断が可能です。

また、穿刺針やカテーテル、ガイドワイヤーの進行を直接確認しながら操作できるため、より安全かつ正確な侵襲的処置(治療)にも適しています。 

 当院では、診療放射線技師・医師・看護師が連携し、常に「安全・正確・低被ばく」を心がけた透視検査を実施しています。 

当院の透視装置と検査内容

当院では、放射線部に4室、光学医療診療部に2室の透視検査室を備えており、計6台の透視装置を運用しています。装置は「Cアーム型」と「アイランド型」に大別され、それぞれの特性を活かした多彩な検査を行っています。 

Cアーム型透視装置 

  アルファベットの「C」の形をしたアームを備え、あらゆる角度からX線を照射することが可能な高機能装置です。体内の詳細な構造や器具の位置を多方向から確認でき、複雑な処置や検査に適しています。

主な検査:ERCP、気管支内視鏡、子宮卵管造影、脊椎脊髄系検査、術後のドレーン確認など

アイランド型透視装置 

  ベッド上部にX線管、下部に検出器を配置した構造で、ベッドの幅が広く、安定した姿勢で検査を受けていただけます。Cアーム型と比べ回転機能は制限されますが、開放感があり、患者さんの負担が少ない構造となっています。 

主な検査:嚥下検査、泌尿器検査、小児検査、内視鏡を併用した検査など 

 

撮影室

装置名

メーカー

特徴

第12撮影室 

CUREVISTA   

富士フィルム

間接変換型FPD 

アイランド型

第13撮影室

Ultimax-I

Canon

間接変換型FPD 

Cアーム型

第14撮影室

SONIALVISION G4

島津製作所

間接変換型FPD 

アイランド型

第16撮影室

Ultimax-I   

Canon

間接変換型FPD 

Cアーム型

B棟透視室1

Ultimax-I 

Canon

間接変換型FPD 

Cアーム型

B棟透視室2

ZEXIRA 

Canon

間接変換型FPD 

アイランド型 


手術室

O-arm

Medtronic

移動型X線装置 

術中CT撮影 

当院の装置紹介

富士フィルム

CUREVISTA

間接変換型FPD

アイランド型

コンパクトな設計ながら広範囲の透視・撮影に対応できる装置です。被ばく低減技術に優れており、特に透視時間が長くなる検査において有効です。また操作性が直感的で、検査ワークフローの効率化に寄与しています。

Canon

Ultimax-I

間接変換型FPD

Cアーム型

多方向からのアプローチを可能にする多目的透視撮影システムです。
頭尾方向や側面方向などの自在なアーム動作により、術後のドレーン確認といった複雑な手技にも対応可能です。高画質な透視像と低線量技術の両立により、幅広い臨床で活用されています。

島津製作所

SONIALVISION G4

間接変換型FPD

アイランド型

高いX線出力性能を持ち、大型患者や長時間透視でも安定した画質を提供します。患者テーブルの可動域が広く、緊急時の対応や多様な体位での検査が容易です。

Canon

ZEXIRA

間接変換型FPD アイランド型

計画装置:Oncentra Brachy

シンプルかつ信頼性の高い透視撮影装置です。高精細な透視像により、消化管造影検査や一般的なX線透視に適しています。被ばく低減機能と操作性のバランスが良く、日常診療で高い安定性を発揮します。

Medtronic

O-arm

移動型X線装置

術中CT撮影

O-armは、手術中に高精度な3次元(3D)画像を撮影できる可搬型X線CT装置です。リアルタイムで高精度な3D画像を取得し、ナビゲーションシステムと連携することで、従来の術中透視では困難だった立体的な位置関係の把握や、複雑な骨構造のナビゲーションを可能にします。術野におけるインプラントの挿入位置など繊細な操作が求められる高度な手術において、その性能を大いに発揮し、より安全かつ正確な手術のサポートを実現しています。 特に脊椎手術など、高精度が求められる整形外科・脳神経外科手術において、O-armは強力な支援ツールとなります。術中の画像確認により、再手術リスクの低減にも寄与しています。 さらに、従来の透視法と比較して、X線の照射回数や時間が短縮されるため、患者さんの負担を減らし、医療スタッフの被ばく線量を最小限に抑えることが可能です。 当院では、診療放射線技師が術中撮影・画像処理・ナビゲーション連携の運用を担っており、医師との密な連携のもと、安全かつ精密な手術環境を支えています。

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